女子力の強い夫
女子力の強い人も弱い人もこんにちは。
タイトルにある通りなんですが、私の夫はなんだか女子っぽいんです。
普段から、オーガニックの高い化粧水をつけ、日焼けを気にし、
外に出かける前は、「ちょっと待ってね」と丁寧に髪をブローし、ワックスでセットしています。
歯のホワイトニングも、全身脱毛もしている徹底ぶりで、美容への飽くなき追及に余念のない夫。
最近の若い人の中では、男性が美容を気にするのは割と普通に受け入れられている事なんでしょうか。
男性のマニキュアなんかも流行っているんでしたっけ。
そういう意味では、夫は時代の先駆者なのかもしれません。
そんな夫とは打って変わり、私は女子力という観点からはかなり残念な熟女であります。
髪も一年以上伸ばし放題でざんばらになり、服は人がくれる古着ばかり着ており、夫に
「これは○○さんからもらったもの、こっちは△△さんからもらったもの」
とどや顔で言い、微妙な反応を得ています。
「昔、ロシアで学生寮に住んでいた時は、学生が捨てた洋服をよく着ていたよ。一番気に入っていたのは、”LET IT BE"と書いてあるロンTだったよ。」
と、わたしのとっておきの”おさがり武勇伝”を伝えても、夫の反応は微妙です。
また、私はハンカチを持つという習慣がどうしても身につかず、いつもトイレのあとに洗った手は、濡れたまま放置したり、髪を触って水分を擦り付けたりしてごまかしています。
この部分は女子というか、大人としてどうなのかな、と自分でも思います、さすがに。
まあ、そんな感じのまま30代後半まで生きてきて、女子力は特段人生に必要ではない、と思っていた私ですが、
夫を見ていると、「なんかいいなあ…」と最近思うようになってきました。
というのも、
私の仕事上の関係者との食事なんかに夫を連れて行くと、よく夫は女性から
「肌きれいですよね?何してるんですか?」
「歯きれい!ホワイトニングしたんですか?」
と聞かれ、美容の話で盛り上がっているんです。
美容の観点で何も努力していない私は、その間蚊帳の外になることが多く、
夫、いいな…とうらやましい気持ちになります。
そんな理由から、「髪くらいは整えなければ」と一念発起し、
先日ラオスで初めて美容院にパーマをしに行ってきました。
韓国人が経営しているという美容院。韓国人なら…と思い、髪を託すことにしました。
↑こちらの写真を美容師に見せて、英語で
「髪が伸ばし放題で重いため、量を軽くしてゆるいパーマをかけてほしい」
というと、美容師は写真をチラ見しただけで、「OK」と言いました。
そして、いきなり「ジョキン」と、指定した長さよりかなり短く、大胆に私の髪にはさみを入れる美容師。
いやな予感がする私。
私「あの…あなたは韓国人ですよね?」
美容師「いえ、韓国人は今、コロナで帰国中で、私はラオス人です。」
やはり。悪い予感が的中しました。ここまで来たら仕方ない、と観念する私。
カットで髪の量を減らすという概念のないラオス人。
そして、ゆるふわパーマではなく、がちがちのパーマをかけていくラオス人。
約3時間後に仕上がった私の髪は、重いままカールがかかっているという不思議な髪型になりました。
「ドーユーライクイット?」
と聞かれ、苦笑いを返しながら、約1万円を支払ってヨロヨロと帰宅しました。
家に帰っても悲しかったわたしは、
「この髪型、どっかで見たことある…キリストだっけ…昔のジョントラボルタだっけ…」
と思い、画像を検索したりし、気を紛らわせて過ごしました。
キリストにも近かったんですが、
色々と思いを巡らし、
「ああ、この髪型は、みうらじゅんにそっくりなんだ」との結論に至りました。
このように、夫への嫉妬心から女子力を高めようと試みた努力は、みうらじゅんの髪型になる、というところに結実しました。
毎日鏡を見ながら、女子力を高めるというのは本当に一朝一夕にはいかないものだなあという気持ちをかみしめております。